[原子力産業新聞] 2003年11月27日 第2212号 <2面>

[米・NEI] NRCに規制変更を要求

 米原子力エネルギー協会(NEI)は原子力規制委員会(NRC)に対して、NRCの原子炉監視プロセスを発動するパフォーマンス・インディケータから、通常の熱除去機能を喪失した状態での計画外スクラムの削除を求めた。NEIはこの指標が他の指標と重複し煩雑と述べており、リスク情報を取り入れた指標で代替できるとしている。

 これをパフォーマンス・インディケータとして取り入れた当初の意図は、この種のスクラムが「リスク上重要」であり把握することにあった。NEIのフロイド規制担当副理事長は、10月31日付のNRC宛書簡で、このスクラム指標は、7000運転時間あたりの計画外スクラムに関する既存のパフォーマンス・インディケータと重複するとしている。NEIによると、この指標の実施をめぐるNRC事務局との1年間の作業の結果、この指標には根本的な欠陥があり、これに労力を使うのは正当化できないとの結論に達した。

 スクラム指標は、リスク重大度にかかわらず、手動と自動のスクラムすべてをカウントし、NRCと許認可取得者の負担を増す上に、矛盾があり、主観的で、効率も効果も悪く、原子炉の性能低下に関する指標として役立たないという。NEIは、リスク情報に基づき、時間経過に応じてスクラムの総合的なリスクを評価する新たなアプローチを提案している。


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