[原子力産業新聞] 2003年11月27日 第2212号 <2面>

[IAEA] 放置線源を撤去

 アフリカのコートジボアール国内に放置されていた大量の放射線線源セシウム137について、国際原子力機関(IAEA)はこのほど、フランスと協力して撤去に着手した。このセシウム線源は密封線源で、首都アビジャン近郊のココディ大学に置かれていた。IAEAは、線源の安全な撤去とフランスへの輸送を支援した。

 この線源はもともと、食糧保存の研究のため、1969年にフランスがコートジボアールに供給したもの。

 IAEAアフリカ地域プロジェクト(AFRA)のマクソディ調整官によると、撤去時、セシウム線源は約1万9000キュリーに減衰していたが、まだ高い危険性があった。セシウム137は半減期30年で、ほとんどの照射器には使われていない。

 IAEAは、セシウム線源をフランスに戻すための規制要件と、線源の安全な撤去および輸送方法について、コートジボワール当局に助言・援助した。この撤去プロジェクトには、フランスが22万5000ドル、IAEAが8万ドル拠出し、AFRAの枠組みの下で実施された。


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