[原子力産業新聞] 2003年12月4日 第2213号 <2面>

[原産] FBR国際WSを開催

 日本原子力産業会議は11月27日、敦賀市のウェルサンピア敦賀で、「FBR国際ワークショップ」を開催、約160名が参加した。文部科学省の委託事業として行ったもので、「第4世代原子力システムに関する国際フォーラム(GIF)」のナトリウム冷却高速炉に関する国際専門家会合が敦賀市で開催されるのにあわせて開かれた。

 主催者を代表して挨拶に立った原産の石塚昶雄理事・事務局長は、「次世代の原子炉として期待されているFBRは、ウランの利用効率を飛躍的に高めることができ、さらに高レベル放射性廃棄物中に含まれる長寿命放射性核種の量を少なくする可能性を有する」とその意義を強調、GIFでも、候補概念6炉型のうち4つが高速炉であり、FBR実用化に向けた研究開発を国際協力で進めていく機運があると述べた。

 続いて、文科省の木谷雅人・大臣官房審議官が来賓として挨拶、「原子力発電の意義を今後も継続していくためにFBRは必要」とし、国際的拠点として、「もんじゅ」の役割を強調するとともに、FBR実用化への期待を表明した。

 次に、経済協力開発機構原子力機関(OECD・NEA)のL・エチャバリ事務局長が、「原子力研究開発の目的と意義」と題して基調講演、2030年のエネルギーと電力需要は、開発途上国を中心に大きな伸びが予想されるとし、原子力発電は、@エネルギー・セキュリティA地球環境の保護B電力市場での競争――の3面から、持続可能なエネルギー・供給システムとして大きな役割が期待されると強調。「もんじゅ」は国際的にも重要なインフラストラクチャであり、時間とコストの削減や、国際協力の効果を高めることでの役割が期待されていると述べた。

 続いて下村和生・NEA事務次長が、同機関における国際共同プロジェクトの例として、HALDENプロジェクトを「『もんじゅ』にとって参考になる」として紹介。同プロジェクトには、ノルウェーのような非原子力発電国も参加、燃料・材料・ヒューマンファクターについて研究しており、国外からの研究者30人程度を含め、300人が常駐している。下村氏は、「もんじゅ」が国際プログラムのホストとなりうるとし、リーダーシップを期待、NEAとしても協力の意向を示した。

 ワークショップではこのあと、三宅正宣・福井工業大学学長をコーディネーターとし、国際協力から見た「もんじゅ」などをテーマにパネル討論が行われた。フランスの高速炉専門家J・フィオリニ氏は、2008年に運転を終了するフェニックスに代わるものとして「もんじゅ」は重要と指摘、「フランスは『もんじゅ』を使いたいと思っている」と、その国際的な意義を強調した。


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