[原子力産業新聞] 2003年12月11日 第2214号 <3面>

[記者会見]エニュレ研究・新技術大臣が来日

 フランスのクロディー・エニュレ研究・新技術大臣(=写真)は、カーネギー会議(研究分野のG8会合)参加のため来日し、8日、駐日フランス大使公邸で記者会見を行った。

 記者会見に先立ち、パリのフランス国立科学研究センター(CNRS)本部で、日仏ロボット工学共同研究ラボラトリー(JRL)創設の調印式が行われ、この式典は東京のフランス大使公邸とオンラインで二元中継された。共同研究は、日本側の産業技術総合研究所とフランス側CNRSとの間で、4年間の期限で実施される。二元中継と同時に、ヒューマノイドロボット(HRP―2 PROMET)のデモンストレーションが行われ、大臣に書類を手渡すセレモニーがあった(=写真右下)。

 記者会見では、大臣は国際熱核融合実験炉(ITER)の立地点選定に関する質問に答え、カダラシュはフランスだけでなくEU全体の候補地であり、受入れ国が負担する建設費の48%は、EU全体で負担するので資金問題には楽観的であること、地理的にもEU諸国の協力、支援を得やすいことを強調した。また、ITER用の巨大なコイルの内陸への輸送等にインフラ整備が必要なことは認めつつも、隣接して研究施設が立地している等の有利な立地条件を指摘し、カダラシュ選定への自信を伺わせた。

 エニュレ大臣は、航空医学の専門家で、宇宙飛行士として、ロシアの宇宙ステーション・ミールおよび国際宇宙ステーション(ISS)に滞在した経験がある。


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