[原子力産業新聞] 2003年12月18日 第2215号 <1面>

[内閣府] 「通報者保護法」通常国会提出へ

【10日共同】内閣府は10日、会社の不正や違法行為などを告発した従業員らを守る「公益通報者保護法案」(仮称)の内容を固め、国民生活審議会消費者政策部会に骨子を提出した。一般からの意見などを募った後、来年の通常国会への提出を目指す。この法案は、不祥事のもみ消しによる消費者被害の拡大を防ぐのが狙いで、雪印食品の牛肉偽装事件などを教訓に制定機運が盛り上がった。成立すれば、不祥事の告発を理由とした解雇や減給、不当な配置転換などが無効となる。

 ただ、マスコミや消費者団体など外部への通報に関しては、証拠隠滅の恐れや社内で口止めされたなどの条件を満たす必要がある。行政への通報などと比べ条件が厳しい。法案では、保護すべき通報の範囲として犯罪行為だけでなく「犯罪の恐れ」も含めた。しかし、罰則規定などは定められていない。

 保護の対象となる告発者には、民間企業の正社員と公務員に加え、退職者や派遣労働者、取引先の労働者らも含まれる。ただ、経営者は含まれない。


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