[原子力産業新聞] 2003年12月18日 第2215号 <2面>

[原産、ロシア] FBRワークショップ開催

 日本原子力産業会議は16、17日の両日、東京・港区芝大門の原産会議室でロシア専門家4名を招き、日ロワークショップ「BN−800・現状と展望」(=写真)を開催し、日本人専門家20名が参加した。

 これはロシア側から日本側へ、BN−800プロジェクトへの参加の打診が再度あり、同プロジェクトの現状と展望、設計思想、仕様等の技術情報を得ることで、将来の技術協力の可能性について意見交換するとともに、同プロジェクトへ日本が参加する場合の効果、条件等について評価検討に資するため開催したもの。

 初日の開会冒頭、主催者を代表して植松邦彦原産常任相談役が、「BN−800は以前から日本でも注目されてきた。ナトリウム冷却高速炉の研究開発は世界的にも停滞しているが、日仏協力に続いて、日ロの協力を進めたい。今回ワークショップで将来の協力を展望できることを望む」と述べ、ワークショップへの期待を表明した。

 一方ロシア側からは、クズネツォフ・ロシア科学センター「クルチャトフ研究所」先進エネルギー研究所副所長が代表として挨拶、「アトムズ・フォー・ピース演説50周年を迎え、民生利用の高速炉BN−600(600MW)は20年の運転実績を積んだ。さらに、BN−800が建設中、BN−1800が設計段階にある。また、世界的にもBN(ナトリウム冷却)型高速炉は、次世代原子力システムでも有力な位置付けがなされている。旧ソ連の解体核兵器から回収したプルトニウムの利用も可能で、核不拡散に貢献し得る」と挨拶。日ロの高速炉協力が、政府間協力に発展することを望むとした。

 この後、2日間にわたって、BN−800プロジェクトの全般(工程、サイト条件、燃料サイクル等)、設計思想、設計基準、さらには設計条件(安全性、耐震性、構造、核不拡散性等)に関して、講義と質疑が行われた。


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