[原子力産業新聞] 2003年12月18日 第2215号 <3面>

[中国] MOX成型加工機 独から輸入へ

 中国外務省の劉建超スポークスマンは、9日の記者会見で、「中国はドイツからMOX製造施設を輸入する計画か」との問いに答え、中国の関連企業が独ジーメンス社と、この施設の売却について協議していることを明らかにした。劉氏は、「MOX燃料は、仏、米国、日本の軽水炉や高速炉で利用実績がある」とし、MOX利用によって天然ウランの利用効率が著しく向上、原子力発電所の経済性が高まると強調した。

 この機器は、ハナウMOX工場(年間102トン)のMOX燃料成型加工機で、12月1日からのシュレーダー独首相訪中時に、中国首脳と売却で合意したとされる。同工場はジーメンス社が独ハナウに建設、ほぼ完成したものの州政府の反対で操業の目途が立たず、1995年に事実上中止、運転に至っていない。今回の売却額は約5000万ユーロ(約65億円)とされる。ハナウ工場の機器については、以前、ロシアの核兵器解体プルトニウムの処分のため、ロシアに売却する話があったが、資金的、政治的な問題から2001年11月に中止となっていた。

 一方、ドイツ政府内では、「90年連合・緑の党」がこれに反発している。90年代前半の反対運動でハナウ施設を中止に追い込んだ主役は、緑の党出身の現在のフィッシャー外相。


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