[原子力産業新聞] 2003年12月18日 第2215号 <6面>

[再処理施設総点検検討会] 原燃の点検計画書改訂版を了承

 六ヶ所再処理施設総点検に関する検討会は11日、第5回会合を開催、日本原燃の品質保証体制点検計画書の改訂版について審議し、今後も点検状況を注視することを前提に内容を了承した。また、今会合から再処理施設を考慮したトラブル対策のあり方の検討も開始し、点検結果も踏まえ来春には取りまとめる見通し。

 今月10日に原子力安全・保安院に提出された改訂版は、今年9月提出の点検計画書に、同検討会の評価意見を反映させ修正したもの。

 修正点の概要は、@設備をグループ化し、チェックが十分かどうかを書類確認する書類点検で、グループ内の数量が多い場合には複数選定とするA書類点検で問題の無い場合でも品質記録の信頼性・信憑性を確認するため、代表的設備は現品点検を行うB電気技術規定に基づく計画であることを明確化するC第三者審査機関により、点検グルーピングの適切性、代表設備の選定および点検作業の監査を実施する――など。

 委員から「現品検査では必要に応じ追加確認を行うとしているが、この判断基準を明確にする必要がある」などの意見が出されたが、「引き続き点検作業の状況を注視するが、ひとまず検討会として改訂版を受取ることにしたい」(近藤主査)として、了承した。

 日本原燃によると書類点検が必要な総機器数はF施設で2万基・590グループ、本体施設で25万基・3490グループ。すでに9月第2週から作業しているが、改訂版の内容に従って、今月中には終了させたいという。また現品検査は今週から開始し、終了は年明けになる見通し。同社は今年9月に再処理工場の試験運転の日程を変更したが、来年1月からはウラン試験を行う予定になっている。

 検討会は今月26日に第6回会合を開催する予定で、この会合には埋込金物の不具合や硝酸洩れの原因分析報告書の提出を求めた。また、今回提出の計画書の訂正版は既に出来上がっている設備の健全性に対する点検だが、引き続き同社の全社的品質保証体制について点検結果を踏まえながら検討する意向。

 一方、今会合から開始された再処理施設を考慮したトラブル対応策のあり方の検討では、原子力安全基盤機構が「内外の再処理施設の事故・トラブル」についてデータを示し、報告した。


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