[原子力産業新聞] 2003年12月18日 第2215号 <6面>

[阪大レーザー核融合研究センター] 次世代の極端紫外光源を開発

 大阪大学レーザー核融合研究センターはこのほど、錫を塗布した球状ターゲットにレーザーを球対称に照射することで、変換効率3%の世界最高を達成した次世代半導体露光装置用のレーザープラズマ極端紫外(EUV)光源を開発したと発表した。

 次世代の露光光源としては中心波長13.5ナノメートル、帯域幅2%で光源取り出し部のEUVパワー115ワット以上が必要とされる。このためレーザーからEUV光への変換効率の向上が課題となっており、これまで国内外でキセノンターゲットで1.4%程度、錫ターゲットで2%程度の開発が報告されていた。

 今回の成果は変換効率としては実用レベルに達するもの。球状ターゲットにレーザー照射する技術を開発し、熱損失を低減、変換効率を向上させた。同センターによると、EUV光源技術の開発は、レーザー核融合技術と多くの共通点があり、これまで培ってきた核融合の研究資源が産業応用に活かされるという。

 半導体露光装置用の光源は現在、波長百93ナノメートルのArFレーザーが主流、開発中の157ナノメートルのF2でも最小線幅60ナノメートルが限界。EUV露光では最小線幅25ナノメートル以下を目指す。この成果は、文科省リーディングプロジェクトで、国内の大学や研究所との共同研究によるもの。


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