[原子力産業新聞] 2004年1月15日 第2218号 <1面>

[原子力委員会] 次期長計策定へ 今月下旬から「意見聞く会」

 原子力委員会は次期長期計画を検討するため原子力関係者、一般市民、地方公共団体などから多様な意見を聴く「長計についてご意見を聴く会」を開催する。今月下旬から5月下旬まで毎週1回程度、合計20回前後の開催を予定。長計策定においても「広聴活動」の重視を鮮明にする。

 「長計についてご意見を聴く会」では、原子力委員が原子力の研究、開発及び利用の実施主体、学会、一般市民、地方公共団体、マスメディア、政策提言集団を含む広く多様なセクターから、長計のあり方とその策定に際して検討すべき具体的な課題、論点などに関する提案、意見を公開の場で聴き、質疑を行う。

 必要に応じて専門家に定量的解析、データベースの整備なども依頼し、報告を受け検討する場ともする。また同委員会は、市民参加懇談会の内容を検討するコアメンバー会議を開催しているが、同会議もひとつの提言組織として長計に関する意見をまとめ提案する。

 同委員会ではこうした多様な提言、意見を踏まえて長計のあり方、長計策定上の課題、論点などを整理し、今年後半に向けて検討を本格化させる次期長計に反映の意向。委員会内の長計策定体制や具体的スケジュールなどは今後詰めていく。

 原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画は、一九五六年に初めて策定されて以降、ほぼ五年毎に策定されており、前回は2000年11月に実施、今回で10回目の策定となる。

 前回は長期計画策定会議を設置し、同会議の下に6つの分科会を設けて審議して長計案を作成、この案を基に意見を聴く会を東京、青森、福井の3会場で開催した。今回の策定ではより多様な人々から、より多くの時間をかけて様々な意見を聴くことになる。

 原子力委員会は、今月6日に公表した所信の基本姿勢で一層の広聴活動重視を表明している。


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