[原子力産業新聞] 2004年1月15日 第2218号 <1面>

[米DOE] 長官が来日 ITERで日本支持表明

 来日した米エネルギー省(DOE)のエイブラハム長官は8日、文部科学省に河村建夫大臣を訪ね会談(=写真、文科省提供)、また都内で坂本剛二・経済産業副大臣と会談を行った。

 河村文科大臣との会談で、エイブラハム長官は、2月に予定されている閣僚級会合に先送りされた国際熱核融合実験炉(ITER)建設地決定について、米国政府として、日本支持を公式に表明することを明らかにした。さらに同長官は、今回の訪日後に訪問する中国において、日本へのサイト誘致は、中国やアジア全域にとって有益であることを伝え、六ヶ所村支持を求めたい考えであると述べた。

 河村大臣は、終始一貫した米国の支持に感謝の意を表わすとともに、ITER誘致に向けた関係閣僚会議の設置など日本誘致へ向け、内閣としても連携を強めていくことを説明した。建設地については、日本の六ヶ所村とEUが推すフランス・カダラッシュとの間で調整が難航している。昨年12月20日に米国で行なわれた閣僚級会合では、米国、韓国が六ヶ所村を、ロシア、中国がカダラッシュを支持したとされるが、米国が公式に支持を表明するのはこれが初めて。

 この会談に先がけ、エイブラハム長官は都内で坂本剛二・経済産業副大臣と会談、燃料電池や水素技術の研究開発などで二国間協力を強化する共同声明に署名した。


Copyright (C) 2004 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.