[原子力産業新聞] 2004年1月15日 第2218号 <3面>

[韓国] 廃棄物管理施設 ソウル大キャンパ スに立地提案

 中低レベル廃棄物処分場立地が迷走している韓国で、国立ソウル大学教授らが、処分場を同キャンパス内に誘致すると提案、話題を呼んでいる。

 8日付の韓国の日刊紙「中央日報」(インターネット版)によると、ソウル大原子核工学科の姜昌淳教授らは7日、記者会見を開き、扶安郡での反対運動で行き場を失っている放射性廃棄物管理施設を、ソウル大敷地内の冠岳山に誘致するよう提案した。姜教授らは「原子力の安全性を示すため、ソウル大が率先していくべきだ」と述べ、「学者的良心から問題解決に乗り出した」として、ソウル大総長に施設誘致を訴えた。

 この提案には、同大学の教授ら63名も賛同、姜教授は「岩盤が多い冠岳山で、中低水準放射性廃棄物を『洞窟処分』方式で深く埋めれば安全」と述べている。

 これに対しソウル大学の鄭雲燦総長は、12日、「ソウル大が独自に議論するには限界がある」と、この問題の検討を留保するとしながらも、国策に率先して取り組もうとする姜教授らの精神を高く評価、処分場立地問題を社会的合意を通じて解決するよう呼びかけた。


Copyright (C) 2004 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.