[原子力産業新聞] 2004年1月29日 第2220号 <2面>

[(1面より続く)] 原研新理事長 岡崎俊雄氏に聞く

 ―放射線利用拡大について

 放射線利用は高崎研究所の担当だが、最近、産業分野との繋がりで興味深いものが出てきた。燃料電池の電解膜への応用や自動車用排ガス処理などで、新たな利用分野の拡大は今後も重点的なテーマになる。

 ―原子力2法人統合に向けての取組は

 2005年度の統合に向けて、今年は具体的な準備が始まる。原子力研究開発の国際的な中核拠点の実現が統合の基本理念であり、文科省をはじめとする関係機関などの知恵を借りながら、作業を進めたい。すでにJNCとは準備会議などを密接に行っている。2005年度の予算要求は統合を前提とするため、あまり時間に余裕はない。この夏には統合の骨格を取り決めることになる。

 ―「もんじゅ」について

 核燃料サイクルの確立は原子力政策の基本であり、重要である。「もんじゅ」は大事な役割を担っており、再開を期待している。統合により、原研の基礎技術とJNCのシステム技術が融合され、「もんじゅ」も含めて核燃料サイクル技術の開発を推進させたい。

 研究開発に時間は大事な要素で、良い成果を得るには意欲を持った継続的な取組みが必要である。これが途切れると折角の財産が無駄になる。

 ―原子力分野の人材育成について

 大学改革のなか、原子力分野の人材育成について、原研は真剣に取り組みはじめている。9大学と連携しており、これを充実する。東京大学、茨城大学、福井大学などで原子力関係への取組が強化されようとしている。また、現場の原子力技術者の育成にも取り組みつつある。

 学生の原子力技術離れが指摘されるが、SPring−8、J−PARC、HTTRなど魅力あるテーマにより、学生の原研に対する関心がここ数年高まっており、応募者も増えている。魅力あるテーマがあれば関心は高まる。優秀な人材を集めなければ研究開発の活性化もできない訳で、原子力の魅力を理解を得るため、様々な角度から総合的な取組みが必要である。(聞き手=高橋毅記者)

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 岡崎氏は1943年兵庫県生まれ。66年大阪大学原子力工学科卒業、同年科学技術庁入庁、94年原子力局長、98年科学技術事務次官、99年退官、00年日本原子力研究所副理事長


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