[原子力産業新聞] 2004年2月5日 第2221号 <1面>

[エネ・情報工学研究会議] 原子力「重要」が増加

 財団法人エネルギ−・情報工学研究会議は、このほど、『エネルギ−・原子力に関する世論調査と国際比較』を取りまとめて発表した。1989年以来、エネルギ−・環境問題に対する国民の理解、エネルギ−や原子力発電の選択への考えを調査し、諸外国の同様の調査結果と比較検討してきたもので、今回は第9回目。

 今回、原子力発電の重要度について、重要と考える人は全国で76%、サイトで82%で、前回調査よりやや増加した。今後の原子力発電所の建設については、推進すべきは全国で25%、サイトで29%となり、前回調査と同様の結果となった。一方、廃止すべきは全国で31%、サイトで22%となった。なお、現状維持は全国で33%、サイトで41%。

 原子力の安全性に関連した大事故発生の可能性については、「大事故が発生する」と思う人は全国で58%、サイトで40%となり、大事故の発生を心配する人は全国の方が18ポイント高くなっている。一方、「大事故は起こらない」とする人は全国で30%、サイトで49%となっており、サイトの方が19ポイント高い結果が出た。また、安全性確保の可能性については、「原子力発電の安全性を確保できる」とする人が全国で45%、サイトで57%となり、サイトの方が高く過半数に達している。一方、「安全性を確保できない」とする人は、全国で42%、サイトで32%となっている。全国に比べて、サイト隣接地域の方が原子力発電の安全性への信頼が高いとの結果が得られた。

 核燃料リサイクルへの賛否については、「賛成」が全国で47%、サイトで48%、「反対」は全国で27%、サイトで29%であり、核燃料リサイクルに賛成の割合が高くなっている。


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