[原子力産業新聞] 2004年2月5日 第2221号 <2面>

[経済産業省] もんじゅ改造工事を認可

 経済産業省の原子力安全・保安院は1月30日、核燃料サイクル開発機構が申請していた「もんじゅ」のナトリウム漏洩対策などの詳細設計について認可した、と発表した。これにより国の審査は全て終了し、改造工事に向けて残るは地元自治体の事前了解のみとなった。

 核燃料サイクル機構は認可を受けて同日、「今後は地元の皆様のご理解を得たうえで1日も早く改造工事に着手し、運転再開により『もんじゅ』の本来の姿を示し、成果を出していきたいと念願している」とのコメントを発表した。

 今回認可された詳細設計は2002年12月の申請で、ナトリウム漏洩対策と蒸気発生器伝熱管破損対策により成る。漏洩対策では@ドレンラインの増設、大口径配管への取替、弁の2重化などによる2次ナトリウムのドレン機能強化A煙感知型及び熱感知型ナトリウム漏洩検知器の設置による中央制御室への警報B補助建物への断熱材設置による水分放出の抑制及びヒートシンク材設置による漏洩ナトリウム温度の低減−−など。伝熱管破損対策では、信頼性向上のための圧力計及び放出弁の追加設置、検出性能向上のための圧力計設定値変更などを行う。

 すでに基本設計は2001年6月に申請し、2002年12月に認可、2次冷却系温度計の変更などの詳細設計も2002年6月に認可となっている。これら改造工事全体の費用は約180億円、工事期間は17か月を予定する。

 国の安全審査の完了により、「もんじゅ」の改造工事は、地元自治体の判断が焦点となるが、昨年11月には福井県が設置した「もんじゅ安全性調査検討専門委員会」が改造工事により安全性は一段と向上する、との最終報告書を西川一誠知事に提出。また、同12月には敦賀市の河瀬一治市長が西川知事に改造工事を早期に事前了解するよう要請。さらに2日に福井県議会の県会自由民主党が改造工事の事前了解判断について、新幹線問題から切り離して行政手続きを進めるよう西川知事に申し入れた。


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