[原子力産業新聞] 2004年2月5日 第2221号 <3面>

[米・DOE] RI製造施設が運転開始

 エネルギー省(DOE)のエイブラハム長官は1月12日、ニューメキシコのロスアラモス中性子科学センター(LANSCE)で、国内最新のアイソトープ(RI)生産施設が運転開始したと発表した。2300万ドルをかけたこの最新施設が、今春後半にフル稼働すると、心臓病や癌などの重大な疾病の診断、治療、研究に必要な医療用短寿命RIの供給が強化される。

 5年間かけて建設された同施設の新規ビームラインは、LANSCE加速器から、RI生産用の新ターゲットに、1億電子ボルトの陽子ビームを送出する。LANSCEは昨年12月23日に最初の陽子ビームを新施設に送出した。

 新施設により、30種類を超えるRIを大量に生産できるが、主なRIには、銅67、ヒ素73、ゲルマニウム68、ストロンチウム82等がある。これらのRIは、最小限の副作用で直接ガンをねらうことができ、半減期が短く、肝臓などの重要な器官に残留しないことから、ガンなどの疾病治療に役立つ。


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