[原子力産業新聞] 2004年2月19日 第2223号 <1面>

[理化学研究所] 企業連携で新制度

 理化学研究所は16日、産業界との連携の新しい試みとして「融合的連携研究制度」を創設し、来年度から運用を開始すると発表した。

 企業側の主導による共同研究が大きな特徴で、理研では、初年度に3億円程度の予算を計上し、今年4月から提案募集の開始を予定している。

 新しい制度は、理研に蓄積した研究成果あるいは研究中の技術を活用し、企業のニーズに適合した研究課題を、企業側自らがイニシアティブをとり、理研との共同研究により、実用化を目指すもの。

 従来、大学や公的研究機関などが、基礎から応用へと展開し、この技術や特許を基に企業が商品化を図る「リニアモデル」が一般的であったが、新制度では、研究側と企業側が基礎・応用の何れの段階からでも共同研究を行う「パラレルモデル」を目指す。

 これにより企業にとって最も重要なスピードある経営に対応にするという。

 今年4月には、産業界との連携を望む理研の研究人材に係わる情報データベースを公開するとともに、6月末の締め切りで提案募集を開始する。企業側はこの情報を踏まえ、理研に提案する研究開発課題を検討することになるが、フィージビリティースタディーも歓迎するとしている。

 採択提案の決定は今年7月末の予定。10月には研究チームを設置するが、研究チームのリーダーは原則として企業側の研究者が努めることを想定している。


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