[原子力産業新聞] 2004年2月19日 第2223号 <3面>

[米・DOE] 廃棄物管理に過去最高額

 米エネルギー省(DOE)は3日、本年10月から始まる2005会計年度の予算案を議会に提出した。放射性廃棄物管理には、過去最高額の9億750万ドル(今年度比3億300万ドル増)を充てるのが特徴。

 このうち2750万ドルはアイダホ国立工学・環境研究所(INEEL)での環境管理予算に充て、8億8000万ドルはユッカマウンテン廃棄物貯蔵施設計画に割り当てるとしている。DOEでは、本年末までに原子力規制委員会(NRC)に対してユッカマウンテン施設の許認可申請を行うことを目指して、地下・地上施設の1次設計の完了、インフラの整備、廃棄物の搬入に必要な輸送用コンテナーおよび補助設備の発注を行うとしている。

 DOEの戦略分野は、@国防AエネルギーB科学C環境の4つの柱からなるが、エネルギー分野では原子力関係に4億1000万ドル(500万ドル増)が計上された。このうち3100万ドルが第4世代(GENW)原子力システム計画に充てられ、核拡散抵抗性が高く、かつライフサイクル費用が低い新型原子炉システムの開発を目指す。05会計年度に、INEELとアルゴンヌ国立研究所が統合、アイダホ国立研究所(INL)として発足するが、エイブラハムDOE長官は、INLを原子力の戦略的な研究開発を行うセンターとして位置付けている。

 また、核融合関係予算に今年度比約2%増の2億6400万ドルが計上された。うち、ITER関係が3800万ドルで、今年度比3000万ドル増となり、ブッシュ政権の積極的な姿勢を示すものとなっている。

 


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