[原子力産業新聞] 2004年2月26日 第2224号 <2面>

[JNES] 横型ポンプ振動実験を公開

 原子力安全基盤機構(成合英樹理事長)は19日と20日の両日、原子力発電技術機構の多度津工学試験所(香川県・多度津町)において、大地震を模擬した横形ポンプ振動耐力の公開試験を開催した(=写真)。約250名が参加、振動増幅装置を設置した最大加速度4Gの実験に関心を寄せた。

 原子力安全基盤機構は昨年十月に原子力施設の検査、安全性に関する解析・評価、防災支援などを目的に発足。現在、規格基準業務は多度津工学試験所の大型振動台を借り受け、原子力発電施設の耐震安全性評価試験を実施している。

 この試験は安全上重要な機器の機能限界加速度を把握し、耐震安全性評価のためのデータを整備することが目的。公開試験に使用された横形ポンプは、原子炉補機冷却水系に1般的に使用される両吸込単段うず巻型で、全揚程55m、流量千250立方m/hの性能を有する製品。これを通常運転しながら神戸地震波である最大加速度0・8Gおよび包絡模擬地震波である同4Gの振動が加えられたが、いずれも通常運転の性能を維持しているとの測定結果を得た。

 多度津工学試験所の大型高性能振動台は世界最高レベルの性能を有するが、原子力安全基盤機構では、機能限界加速度の試験を実施するため、大型振動台の上に5×5mの増幅振動台およびアクチュエータを設置し、現在は最大加速度6Gの試験を可能にしている。これまでに制御盤、コントロールセンターなど8種類の電気盤について試験を実施し、今月から横形ポンプを試験中。今後は制御棒挿入関連機器、大型立体ポンプ、熱交換器などの試験を予定している。


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