[原子力産業新聞] 2004年3月4日 第2225号 <3面>

[ブルガリア] ロシア製高濃縮ウランを返還

 ロシア製高濃縮ウラン(HEU)17キログラムが、このほど、国際原子力機関(IAEA)と米エネルギー省(DOE)の協力により、ブルガリアからロシアへ空輸された。

 この燃料は、1960年代初期に、ロシアがブルガリアに建設した2MWのIRT研究炉用に供給したもの。IAEAとDOEが、キャニスターへの燃料装荷を監視した。ロシアは、燃料を再処理して低濃縮ウランにする。

 この燃料取出し・輸送の費用は、米・ロシア・IAEAの三者間核不拡散協力プログラムの下で、米DOEが拠出している。このプログラムは、民間用の原子力活動でのHEUの使用・貯蔵を減らするため、米国が主導する協力事業の一環として行われており、ロシア国外にある同国製研究炉から、新燃料と使用済み燃料を回収している。ブルガリア当局は、IAEAとの技術協力により、同じサイトに低濃縮ウランを使う研究炉の建設を検討している。

 現在、世界にはHEUを使う研究炉が約80あり、IAEAは、特に老朽化した研究炉と使用済み燃料保管施設の安全性とセキュリティの改善に向けて、加盟国の研究炉をHEUから低濃縮への転換をを支援している。

 IAEAは、2003年9月にルーマニア、2002年8月にセルビアとモンテネグロからのHEU返却輸送を支援している。


Copyright (C) 2004 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.