[原子力産業新聞] 2004年3月11日 第2226号 <2面>

[東京電力] 福島第2・3号機 1年半ぶりに発電を開始

 東京電力の福島第2原子力発電所3号機(BWR、110万kW)は3日10時、原子炉を起動し、6日午前7時3分に、約1年6か月ぶりに発電を再開した。

 同ユニットは2002年9月、シュラウドにインディケーション(ひびまたはその兆候の疑い)のある可能性があるプラントとして、点検のために中間停止を実施。そのまま同年12月10日から、第12回定期検査に入っていた。

 停止中、福2・3号機は燃料集合体の取り替えや、出力領域計装検出器の取替えといった作業に加え、@シュラウドの健全性点検の結果発見された13か所のひびをのうち、シュラウド中間部リング(H3)と中間部胴(H4)の溶接線近傍に確認された3か所についての補修A原子炉冷却材再循環系配管溶接部の超音波探傷検査により発見された、配管の継ぎ手9個の取り替え工事――などを実施。「ひび除去部については既に構造強度評価などを行い、健全性に問題のないことを確認しており、また応力緩和措置を施していることから当該部に新たなひびの発生は少ないと考えられる」ものの、当該部については放電加工による除去を初めて施工したことや、中性子照射の影響等も考えられることから、今後の運転中における監視ならびに次回定期検査以降における点検については当面の間、隔年の点検を実施してひび発生の有無等当該部の健全性確認を行うとともに、安全上の知見の蓄積に努めていくとしている。

 なお福2・3号機が発電を再開したことにより、現在稼働中の東電の原子力発電ユニットは7基、758万kWとなった。


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