[原子力産業新聞] 2004年3月18日 第2227号 <1面>

[関西電力] MOX計画 福井県知事が了承

 福井県の西川一誠知事は15日の会見で、関西電力・高浜発電所3、4号機(=写真、福井県高浜町)で開始が予定されているプルサーマル計画について、計画再開を了承して関電が海外で燃料製造契約することを認める方針を明らかにした。翌16日には高浜町の今井理一町長と会って地元の意向を確認した同知事は、今週中に関電の藤洋作社長に正式に伝える方針だ。同知事はまた、日本原子力発電の敦賀3、4号機増設計画についても、国への原子炉設置許可申請を了承する意向を表明。河瀬敦賀市長の意向を聞いた上で、月内にも原電に伝える方針。

 高浜発電所のプルサーマル計画をめぐっては、福井県は99年6月、計画に対する事前了解を行っていたが、同年12月に計画で使用する予定のウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の製造元である英国BNFL社による検査データの不正が明らかになったことから、関電は同燃料の使用を中止。その後、再開を目指す関電は昨年10月、燃料加工の品質保証体制の改善策など再発防止策を国や県に提出し、原子力安全・保安院は今年2月に、原子力安全委員会は今月11日に、これを妥当と評価していた。

 西川福井県知事は15日に県庁で行われた会見で、関電が策定した検査データ不正防止策と品質保証体制を「県独自に調査した結果、改善状況は適切」と評価するとともに、計画再開を了承して関電が海外で燃料製造契約することを認める方針を表明。また翌16日午後には、発電所立地点の首長である今井理一高浜町長と会って地元の意向の確認。今週中に関電の藤洋作社長を呼んで、正式に伝えることを決めた。

 西川知事はまた、原電の敦賀発電所3、4号機増設計画の安全審査入りに向けた、国への原子炉設置変更許可申請についても了承する意向を示した。河瀬敦賀市長の意向を確認の後、月内にも原電に正式に伝える方針だ。敦賀3、4号機については2002年12月、福井県および敦賀市が事前了解を行っており、原電では2006年度の着工を目指している。

 今回、西川福井県知事がプルサーマルを了承する意向を示したことについて、関電は15日に「当社のプルサーマル計画に関するご発言があったことについては、当社が取り組んできた品質保証改善活動についてご理解頂いたものと考えており、今後前向きなご判断をいただけるものと期待している。当社としては、品質保証体制の一層の充実、強化を図り、プルサーマル計画を着実に進めてまいりたいと考えている」とのコメントを発表している。


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