[原子力産業新聞] 2004年3月18日 第2227号 <3面>

[IAEA] リビアから高濃縮ウラン撤去

 IAEAは、リビア当局と協力してトリポリ郊外の研究炉施設に保管されている80%濃縮の高濃縮ウラン(HEU)を撤去し、ロシアに空輸した。このウランは新燃料で主さ約16キログラム。ロシアは、1980年代にタホラ原子力研究センターに、10MWの研究炉と臨界実験装置を供給した。ロシアはこのHEUを低濃縮ウランに転換する。

 リビアからの高濃縮ウラン撤去にかかる70万ドル(約7700万円)の費用は、米・露・IAEAによる3者間協力計画の下で、米エネルギー省(DOE)が拠出した。同計画では、海外のロシア製原子炉から新燃料とと使用済み燃料を回収している。これまでにIAEAは、HEUをルーマニア、セルビア、モンテネグロ、ブルガリアから撤去している。


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