[原子力産業新聞] 2004年3月25日 第2225号 <1面>

[青森県] 「決起集会」青森市で開催

国際熱核融合実験炉(ITER)の誘致をめぐる交渉が難航しているなか、青森県と六ヶ所村0は19日、六ヶ所村への誘致実現にむけた決起大会を青森市のぱ・る・るプラザ青森ホールで開催した。三村申吾県知事、平沼赳夫・自民党核融合エネルギー推進議員連盟会長はじめ、大島理森会長代理ら地元選出の国会議員もかけつけ、県内の市町村、産業界、女性団体などから1000名を超える参加者のもと、「県民挙げて、日本誘致実現に全力を結集する」との大会決議を採択し、ITER誘致の強い決意を内外にアピールした。

主催者を代表して挨拶に立った3村知事(=写真)は、県内の六ヶ所村がカダラッシュより立地条件で優れていると述べ、県議会や国とも連携してその優位性を強く訴え、誘致実現に取り組んでいく姿勢を表明した。また来賓として挨拶した平沼会長は、誘致は3つの意義を持っていると指摘。1つはプロジェクトには世界から大勢の研究者が集い、20〜30年にわたり研究が行われ、さまざまなイノベーションが生まれ、それがあらゆる分野に波及すること。2つは地球環境問題や資源の有限性、世界人口の増大が予想される中、人類が高度で安定した生活水準を維持していくためには核融合開発は重要であり、日本がその担い手として貢献できること。3つ目としては青森県の経済活性化の起爆剤ともなり得るとの認識を示した。

続いて挨拶した結城章男夫・文部科学審議官は、六ヶ所サイトは電力供給や廃棄物処理などの点でカダラッシュより優れており、「ITERは長く難しいプロジェクトだが、日本でやった方が成功する確率が高い」として、6ヶ所の優位性を強調。22日の週に来日するEUのミツォス研究総局長ら核融合関係者との協議に強い姿勢で臨む決意を述べた。


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