[原子力産業新聞] 2004年4月15日 第2231号 <2面>

[保安院] 原子力施設トラブルまとめる

 経済産業省原子力安全・保安院は9日、2003年度の「原子力施設におけるトラブルについて(経済産業省所管分)」を取りまとめ発表。原子力発電所における03年度の1基あたりトラブル報告件数は約0.3件にとどまるなど、全ての施設におけるトラブル発生の可能性は、03年度も最小であったことが明らかになった。

 原子力施設のトラブルについては、原子炉等規制法をはじめとする法律および通達により、電気事業者、加工事業者などは発生後、速やかに保安院に対して報告することとなっている。

 今回発表された報告は、そのうち経産省所管分の原子力発電所、研究開発段階炉、その他加工施設、再処理施設などといった原子力施設において03年度に発生したトラブルを取りまとめたもので、それによると原子力発電所(研究開発段階炉除く)における03年度に報告されたトラブル件数は13件で、このうち法律に基づく報告は11件、通達に基づく報告は2件であり、原子炉1基あたりのトラブル報告件数は約0.3件と、前年度(1件あたり約0.2件)に比べて若干増加したものの、引き続き最小であることが明らかになっている。

 一方、研究開発段階炉のうち発電の用に供する原子炉においては、03年度は通達に基づく1件のみで、前年度(2件)に比較して減少。また加工施設、再処理施設、廃棄物管理施設、廃棄物埋設施設の「その他原子力施設」においては、03年度に報告されたトラブル件数は、前年度に引き続き0件であった。なお、これら全てのトラブルにおいて、放射性物質による環境への影響はなかった。

 同報告ではまた、これらトラブルについて国際原子力事象評価尺度(INES)による評価にも触れられている。具体的には(1)原子力発電所のトラブルにおいては、レベル0マイナスが12件、評価対象が1件(暫定評価含む)(2)研究開発段階炉においては、レベル0マイナスが1件――となっている。


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