[原子力産業新聞] 2004年4月15日 第2231号 <2面>

[保安院] トラブル停止が前年度比4分の1に

 原子力安全・保安院は9日、2003年度わが国原子力発電所の設備利用率を取りまとめて発表した。

 それによると、03年度末時点において営業運転中の原子力発電所は52基、定格電気出力合計で4574.2万kWであり、これらの発電設備による同年度の総発電電力量は、2400億kW時を記録。平均設備利用率は59.7%となり、2年続けて前年度実績(73.4%)を割り込む結果となった。

 保安院ではこれについて、要因として「定期検査の割合が39.4%(02年度は20.7%)と、前年度に比べ増大していることが挙げられる」とすると同時に、「1昨年に明かとなった原子力発電所の不正問題等に起因する点検の必要性等から、一部の原子力発電所について定期検査期間が長期化したことによるもの」と分析。なおトラブルの割合は0.5%と、前年度(2.2%)に比べて減少している。

 03年度利用率を炉型別に見ると、BWR(29基・2637.6万kW)は39.0%にとどまったのに対し、PWR(23基・1936.6万kW)は八七・九%と、好調を維持している。


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