[原子力産業新聞] 2004年4月30日 第2233号 <1面>

[原産] 年次大会午餐会

短中長期的活動の組合せ追求を 午餐会で近藤原子力委員長が講演

 22日、東京・九段のホテルグランドパレスで開かれた原産年次大会の午餐会では、近藤駿介原子力委員長が、今後の日本の原子力開発に対する取り組みのあり方などについて所感を述べた。

 同氏は、「短期、中期、長期の3つの時間的枠組みで検討された行動の組み合わせを追求することが肝要である」と提言。短期的活動では現有設備・システムを人々の信頼を得つつ、できるだけ長く有効活用するための効果的な創意工夫を見出し、施す。中期的活動ではこれら設備・システムが陳腐化する時代の到来を予測し、革新的設備・システムで代替していく準備を整え、時宜に適った取替え活動を行う。さらに長期的活動では、原子力技術の新市場の開拓および、エネルギー供給市場構造を変えるような革新性の高い技術を研究開発し、実用化に至る問題点を把握することが重要であると述べた。なお長期的活動は、主に政府機関によって実施されるべきで、政府は公益追求の観点から、これらに適切な水準の資金を投じ、多面的な観点から定期的に評価する必要があるとした。


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