[原子力産業新聞] 2004年5月20日 第2235号 <4面>

[島津製作所] 世界最高分解能PETを発売

島津製作所は、このほど全身用としては世界最高の分解能を達成したポジトロン断層撮影(PET)システム「Eminence−G」(=写真)を開発、発売した。価格は7億円、初年度20台の販売を予定。

同装置は検出器のシンチレータに発光量が多く、位置弁別に優れるケイ酸ガドリニウムを採用、これを微細な短冊状に加工することで半値幅3・5mmの分解能を達成した。

体内から放出されるγ線と骨や臓器などで減衰するγ線の両データを同時に収集するとともに、放出データは従来の2D収集に比べ5倍の感度が得られる3D収集とした。これによりベッドを連続的に移動させながらデータ収集が可能で、検査時間を大幅に短縮できる。減衰データの収集に使用する校正用線源には従来のGe68に変えて、半減期約30年のCs137を使用しており、維持費の低減も実現した。


Copyright (C) 2004 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.