[原子力産業新聞] 2004年5月27日 第2236号 <1面>

[総合資源エネ調査会] エネ環境合同会議 利用率向上など意見

 総合資源エネルギー調査会のエネルギー環境合同会議は24日、第4回会合を開催、中間取りまとめなどについて議論した。

 事務局案での重点課題は、国家戦略としての環境政策の再構築、国際エネルギー環境政策の積極展開、柔軟で強靱なエネルギー需給構造の構築、日本型の環境調和型社会の構築など。

 原子力は、電力需要のベースロード電源として重要、今後とも積極的に推進すべきとした上で、最大の課題は安全性に関する国民の不安・不信の払拭と指摘。核燃料サイクル政策では、我が国原子力政策の基本だが、様々な意見の存在も事実、意義・必要性について国民的な理解を得る努力が必要とした。

 委員からは「原子力発電の設備利用率向上が京都議定書の目標達成に向け重要。六ヶ所再処理工場を速やかに立ち上げ、プルサーマルの円滑な推進が急務であり、これらを国策に則って着実に推進すべき」(山本一元・日本経団連環境安全委共同委員長、千速晃委員代理)、「一次エネルギー供給の15%を原子力で維持する持続的政策意志が必要。原子力はコストや環境面より、むしろ平和利用での技術優位性の確保という視点から、技術基盤蓄積の重要性が高い。核燃料サイクルはプルサーマルで良いか、FBRをどう判断するか、ピューレックス法は古いのでは、などの観点から再考する必要がある」(寺島実郎・日本総研理事長)、「使用済燃料の分野で技術革新を推進するという視点が必要」(黒田玲子・東大院教授)などの意見が出された。

 同会議は来月16日に第5回会合を開催し、中間取りまとめを行う予定。


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