[原子力産業新聞] 2004年5月27日 第2236号 <2面>

[原子力委] 福島・富岡町で市民参加懇

 原子力委員会は22日、福島県富岡町で第8回市民参加懇談会in福島・ふたば「原子力と暮らし〜これまでとこれから〜」を開催(=写真)した。約170名が参加、活発な意見交換が行われた。

 地元代表者10人からは「原子力の産業・環境などへの貢献に期待。正しい原子力知識を養う教科書を」、「発電停止で温水養殖事業が痛手を受けた。信頼関係はきめ細かい情報公開から」、「原子力は地元社会資本整備に貢献。消費地との意見交換の場が必要」、「補助金・交付金のより有効な使途方法を国と県で検討を」、「今こそ原子力政策を見直すチャンス。過酷事故想定の対策など必要」、「将来の発電所停止を考慮した政策と後世に負担のない廃棄物処理を」、「事故原因やプルサーマルで正確な分かり易い説明が必要」、「働く場を確保し住民の生活安定のためにも安全・安心を」、「隠蔽による住民ショックは大きい。廃炉対応など地域の将来の議論を」、「地域に原子力技術者を育成する専門学校が必要」などの意見が出された。

 一般参加者からは「核燃料サイクル政策は一度立止まり検討が必要」、「国は規制機関と推進機関を分離すべき」などの意見があり、近藤駿介委員長は、「先日、佐藤知事とお会いし激励を頂いた。行政が立止まることは難しいが、5年毎に見直す長計では全ての議論をタブーとしない。新しい決定も可能。しかし循環型社会を目指す我が国の理念と直接処分が整合するのか、直接処分と再処理の比較は難しい点がある、などの課題がある。規制機関分離の議論は、現体制で実際にこのような問題がある、という事であれば対策を検討し、その上で分離が必要ならば考えるということだと思う」と述べた。

 プルサーマル計画については「安全を前提に実施はやむを得ない」、「安全性は確保されるが、むしろNPTとの関係が重要では」、「福島にとっても大きな問題」などの意見も出された。


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