[原子力産業新聞] 2004年6月3日 第2237号 <2面>

[サイクル機構] 常陽、第1サイクル運転開始

核燃料サイクル開発機構は5月24日、高速実験炉「常陽」(=写真)のMK−V改造後初の本格運転となる第1サイクル運転を開始したと発表した。

同運転は7月末までを予定、自己作動型炉停止機構(SASS)の照射試験、中性子の数とエネルギー分布の詳細測定などを行う。

SASSは高温になると磁力を通さなくなる温度感知合金(ニッケル、コバルト、鉄の合金)電磁石により制御棒を保持する装置。事故などでナトリウム冷却剤の温度が異常に上昇すると、制御棒が落下する。今回初めて実機で単体照射試験を行い、制御棒の保持能力や切り離し性能などを確認する予定だ。

同照射試験、詳細測定とも8月から10月の第2サイクル運転まで実施、併せて長寿命燃料や長寿命材料開発、大学受託の材料照射試験も行う。

「常陽」は熱出力100MWから140MWへの高出力化、照射スペ−スの拡大など、高性能照射用炉心(MK−V炉心)とするための改造工事に2000年10月に着手。昨年6月から性能試験を実施してきた。


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