[原子力産業新聞] 2004年6月10日 第2238号 <1面>

[経済産業省] 電気事業分科会に報告へ

経済産業省は7日、総合資源エネルギー調査会の制度・措置小委員会(委員長=植草益東洋大教授)第5回会合を開き、バックエンド「経済的措置」について、18日に開催される電気事業分科会への報告取りまとめを行った。会合では、措置の対象となるバックエンド費用の範囲について議論が集中、なかでも使用済み燃料や高レベル廃棄物の貯蔵・輸送費用の扱いについて意見が分かれた。

小委員会では、前回までの審議で、MOX燃料加工、ウラン濃縮工場バックエンド、中間貯蔵等の費用を、措置の対象外とすることがほぼ決まっており、今回、委員からも異論は出なかった。しかし、使用済み燃料や高レベル廃棄物の貯蔵、輸送コストについては、引当の対象とするよう求める電気事業者側と、輸送費は対象外とする経産省側の意見が食い違っていた。

経産省は、小委員会に「経済的措置の料金原価に対するインパクト」と題する資料を提出(=表)。これは、2046年までに発生する使用済み燃料6・6万トンのうち、3.2万トンを再処理する場合のバックエンド引当金・拠出金が、電気料金に与える影響をイメージとして示したもの。今回の制度変更前と後を比較する形で示した。

現行の引当・拠出金が1kWhあたり42〜48銭(1世帯あたり年間千512〜1728円)であるのに対し、経済的措置導入後の規制料金分野では、合計39銭/kWh程度(同1404円)に減額する。一方、特定規模電気事業者(PPS)は、既発電分のバックエンド費用として、顧客から13銭/kWhを託送料金の枠組みを使って15年間徴集、一般電気事業者に支払う。

制度・措置小委は今回の第5回会合で検討を終え、18日の電気事業分科会に検討結果を報告。その後、経産省が外部積立金の運用主体の整備など、具体化作業を行う。


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