[原子力産業新聞] 2004年6月17日 第2239号 <3面>

不拡散で「行動計画」、シーアイランド・サミットが閉幕

 米ジョージア州サバナで開かれていた第30回主要国首脳会議(シーアイランド・サミット)は、10日、濃縮・再処理に関する技術・機器の1年間の移転停止や、追加議定書を原子力供給の条件とすることなど、核不拡散体制強化をうたった「大量破壊兵器の不拡散−G8行動計画」等を採択、閉幕した。同じく採択された「持続可能な開発のための科学技術(3R行動計画)」では、第4世代原子力システム国際フォーラム(GIF)で、6つの次世代原子炉システムの検討、水素経済に関する国際パートナーシップの立ち上げなども、盛り込まれた。

 最終日にまとめられた議長総括では、昨年のエビアンサミットで「大量破壊兵器と運搬手段の拡散が、国際テロと並んで、国際の平和と安全に対する顕著な脅威と認識」したことを再確認。拡散を防止、封じ込め、巻き返しを図る決意のもとに、「不拡散に関するG8行動計画」を採択。また、国際原子力機関(IAEA)を強化すると述べている。

 不拡散に関するG8行動計画は、ブッシュ米大統領が今年2月に行った核不拡散7提案に沿ったもの。行動計画は、「核拡散の危険性を増大させることなく、世界が平和的な原子力の恩恵を安全に享受」できるようにするべきだとし、原子力関連資機材の輸出は「グローバルな不拡散の規範」により、不拡散を遵守している国にのみ行うべきとし、原子力供給国グループ(NSG)ガイドラインの改訂により、これに対処する方針。

 次回サミットまでにガイドライン改訂を行うが、それまでの10年間、G8諸国は新たな「国への濃縮・再処理の機材・技術の移転」を自粛、全ての国にこれにならうよう求めている。

 追加議定書の普遍化に向けて、行動計画は、全ての国が包括的保障措置協定と追加議定書を批准・実施するよう求め、これが原子力関係の技術・機器供給の「重要な新基準になるべき」とし、追加議定書を原子力輸出の条件としている。

 また、IAEAの強化のため、理事会内に新たに「特別委員会」の設置を提言、同委は「保障措置及び検証の強化に向けた包括的計画を準備」するとしている。


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