[原子力産業新聞] 2004年6月17日 第2239号 <4面>

[原研] 核融合など4分野で成果発表

 日本原子力研究所は11日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで研究成果報告会「原子力・未来へ」を開催した。5百数十名が参加、各テーマとも高い関心を集めた。

 今報告会のテーマは「核融合エネルギーの実証に向けて」、「水素社会を目指して」、「放射線が拓く物質・生命科学」、「ウラン・超ウラン科学の総合的推進アクチノイド化合物が面白くなってきた」の4分野。

 各テーマとも若手研究者が報告し、青江茂・副理事長は、「来場者の方々が面白い、これなら投資しても良いと思えるようなプレゼンをして欲しい、と要請した。原研も魅力と説得力がなければ生きていけない」とした。

 核融合では、高周波による磁場乱れ修正技術やダイバータ・増殖ブランケットの開発状況、水素社会対応技術では、高温ガス炉と熱化学IS法およびγ線・電子線照射を利用した燃料電池電解質膜などの開発状況が報告された。

 また、物質生命科学では、現在建設中のJ−PARCへの期待、SPring−8を利用した窒化ガリウム単結晶の成長過程分析、中性子で観るタンパク質中水分子の振る舞いなど、アクチノイド化合物では、新しいウラン・超ウラン化合物の開発と単結晶育成技術、先端計測技術を用いたアクチノイド化合物の解明などが報告された。


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