[原子力産業新聞] 2004年6月24日 第2240号 <2面>

[日本原子力発電] 敦賀1の事象で、原因および対策を報告

 日本原子力発電は、敦賀発電所1号機(BWR、35万7000kW)において8日に発生した、「社内試験実施中に、タービン加減弁の急速閉により『負荷遮断』警報が発報し、原子炉が自動停止した」事象について、21日、原子力安全・保安院に対し、原因と対策に係る報告書を提出した。

 原電では原因について、詳細調査などの結果、「タービンの運転に伴い、主調速機の油圧変動による速度リレーピストンの上下動のため、シリンダ内筒内面に摩耗溝が発生。

 今回のタービンバイパス弁作動試験時に負荷制限装置の設定値を変更した際、設定値約88%付近で速度リレーのシリンダ内筒内面の摩擦溝部にピストンリングが引っ掛かったことによりピストンの下降が一時的に停止し、その後急激に降下したことによりタービン加減弁が急速閉となり、負荷遮断警報が発報し、原子炉自動停止に至った」と推定。

 (1)摩耗溝が確認された速度リレーのピストンシリンダの内筒を新品に交換する(2)原子炉運転(タービン運転)においては、負荷制限装置等の設定値を調整し、速度リレーピストンの動きを小さくし、摩耗を少なくする運転方法を検討・採用する(3)速度リレーの点検周期(7定期検査毎)について見直しを行い、四定期検査毎に点検を実施する――などといった、再発防止策を打ち出した。

 保安院では、これら報告について検討の結果、原因の推定および再発防止対策は妥当とするとともに、これらの再発防止対策等の実施状況について、適宜確認していくとしている。


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