[原子力産業新聞] 2004年6月24日 第2240号 <3面>

[スウェーデン] 原子力支持が80%に増加

 スウェーデン政府の原子力発電所の段階的廃止計画の一環であるバーセベック原子力発電所2号機(=写真、BWR、61.5万kW)の閉鎖問題は、思わぬ障害にぶつかっている。

 原子力の段階的廃止を政府が進めているにもかかわらず、最近の世論調査では、原子力に対する公衆の支持が高まっていることが明らかとなった。公衆のほぼ80%が原子力を支持しており、特に、新規原子力発電所建設に対する支持は53%へと、2001年から倍増した。他方、すべての原子炉の段階的廃止に対する支持は17%、1998年から半減した。

 スウェーデンは、国内電力のほぼ半分を原子力に依存しており、残りは主として水力から調達している。原子力発電所が閉鎖されると、不足分をエネルギー効率の向上と再生可能エネルギー源で埋めることは、極めて困難だ。

 2002年に提出された2件の調査報告書によると、バーセベック2号機の早期閉鎖は、国内電力価格を急騰させ、デンマークとドイツの石炭火力発電所への依存度を、さらに高めることになるだろうという。

 バーセベック2号機は、1977年に運開。スウェーデン原子力のシェアは、2002年の45.9%が、2003年には49.2%に増加した。


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