[原子力産業新聞] 2004年7月1日 第2241号 <1面>

[東京電力] 柏崎刈羽原子力発電所 全7基821万kWが運転再開

 03年3月10日から第10回定期検査を実施している、東京電力の柏崎刈羽原子力発電所2号機(BWR、110万kW)が6月28日、新潟県知事の運転再開の了解を得て、同日19時55分に原子炉を起動。02年8月に発覚した自主点検データ不正問題の影響で、03年3月から約1か月間、全7基が停止した同発電所は、約1年10か月ぶりに全7基・821.2万kWが再起動した。

 柏崎刈羽原子力発電所2号機は一連の自主点検データ不正問題発覚後、02年9月にシュラウド点検のため中間停止を実施し、引き続いて翌03年10月から、第10回定期検査に入っていた。定検において同2号機は、シュラウドや再循環系配管の点検・補修などを行うなど再起動に向けての準備を進め、今年5月には定検の最終段階である原子炉圧力容器漏洩率検査を受検し合格。

 東電ではこれらのことから、6月18日に新潟県、柏崎市および刈羽村に運転再開容認の申し入れを実施し、また原子力安全・保安院は同月23日、同2号機の安全性が確認されたと新潟県に説明を行ったところ、28日に平山新潟県知事より了承を受け、同日中に再起動にこぎつけた。

 なお、千野宗雄柏崎刈羽原子力発電所長は6月28日、運転再開の了承を得たことについて、「一連の不祥事に伴い停止・点検していた当所のプラントは、これまで順次運転を再開して来たが、本日の2号機の再起動により、全ての号機が運転再開させていただけることとなった。地域の皆さま方にはこの間、多大なご心配、ご負担をおかけいたしたことを改めてお詫びするとともに、感謝申し上げる。今後とも発電所の安全・安定運転はもとより、引き続き再生活動に全力で取り組み、地域の皆さまから信頼していただける発電所となるよう所員一同決意を新たに取り組む」とのコメントを発表している。


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