[原子力産業新聞] 2004年7月1日 第2241号 <2面>

[文科省・放射線安全規制検討会] 航空機乗務員 被ばく検討WGがスタート

 文部科学省・放射線安全規制検討会の航空機乗務員等の宇宙線被ばくに関する検討WG(主査=小佐古敏荘助教授)は、6月23日第1回会合を開催、同被ばくに対する知見や管理について検討を開始した。

 航空機乗務員等の宇宙線被ばくについては、放射線審議会が1998年6月に、国際動向も考慮し調査・検討すべきと意見具申。最近、国際的な検討も進んできたことから、先月17日の放射線安全規制検討会で同WGの設置が決まった。

 第1回会合では放射線医学総合研究所が、高度と宇宙線線質の関係や太陽磁場との関係などを説明、東京大学はICRP1997によるジェット機中の宇宙線の見解などを説明した。

 ICRPは、中緯度の高度八kmで実効線量率が3μSv/h、長距離飛行の高度12kmでは2倍となり、約200時間/年乗った場合には、実効線量が約1mSv/年になるとする。このため、被ばくを考慮する必要があるのは航空乗務員で、妊娠している場合は搭乗任務を解かれるのが通常としている。

 同WGは1〜2年で報告書を取りまとめる。


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