[原子力産業新聞] 2004年7月8日 第2242号 <2面>

[原産] 初の4グループ合同会合開催

日本原子力産業会議は1日、東京・渋谷区のアイビーホール青学会館で、脳科学の世界的な権威である伊藤正男・理化学研究所脳科学総合研究センター特別顧問(=写真)を招いて、「原産ワークショップ合同特別講演会」を開催。ワークショップ4グループ(輸送問題、先端技術、加速器・放射光、危機管理)の会員を中心に約50名が参加した。

同ワークショップは、参加企業・機関が原子力に限らず多方面にわたる関連周辺分野の研究開発動向や事例の把握を行い、事業の多角化・経営基盤の強化に役立ててもらおうという参加者主導の活動。今回の講演会は、各グループの今年度活動開始にあたり実施されたもので、4グループによる合同開催は初めて。

冒頭、主催者を代表して挨拶した宅間正夫・原産副会長は、わが国の原子力産業界の信頼回復のため、今年4月に原産が民間原子力2団体の設立を提案したことに触れ、「民間原子力界の再生に向けて、各方面のご協力のもと、改革のリーダーとして取り組んでいきたい」と改革への理解を求めた。

続いて、伊藤氏が「脳の仕組み―特に内部モデルについて」と題し、複雑な神経回路網からなる脳の情報処理の仕組みから、思考における内部モデルの役割および妄想、幻覚といった「内部モデルのひずみによる」障害など、最先端の研究成果について講演を行なった。参加者からは、未だ解明されていない脳と心との関係等について幅広い質問が相次ぎ、脳科学分野に対する関心の高さをうかがわせた。


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