[原子力産業新聞] 2004年7月8日 第2242号 <3面>

[米・政府] 原子力支持では一致

「持続可能なエネルギー協会」が6月末、米首都ワシントンのジョージタウン大学で開催した「ブッシュ&ケリー―米エネルギー政策へのビジョンで争う」との討論会で、ブッシュ大統領と民主党のケリー候補のエネルギー政策構想が明らかになった。討論で浮き彫りになったのは、ユッカマウンテンでの使用済み燃料処分場プロジェクトと、将来の原子力の役割に関する姿勢であった。

ケリー候補側は、エネルギーと環境に関する上級顧問のヘイズ氏が代表を務め、ブッシュ政権側の代表は、エネルギー省次官代理のガーマン氏であった。

ヘイズ氏によると、ケリー候補は、ネバダ州ユッカマウンテンでの放射性廃棄物処分場の建設に反対しているものの、米国の多様なエネルギー供給源としての原子力を支持しており、エネルギー関連の特別基金の設立を提案している。ケリー氏は、「ユッカマウンテンを巡る状況への希望を失っている」が、代替策について、「産業界や関係者と共に考え、描き出したい」としているという。

ヘイズ氏によると、エネルギー政策はケリー候補の4つの重要な政策の1つであり、その政策の焦点は米国のエネルギーでの独立にあるという。

ガーマン氏は、ユッカマウンテンが放射性廃棄物の処分場として最適であるというブッシュ政権の主張は、長期の幅広い研究の結果であるとした。処分場プロジェクトのやり直しは、大気汚染レベルを下げ、温室効果ガスの放出制限への国の取り組みを妨げるだろうと発言した。また、ブッシュ大統領は、主として国内資源によるエネルギー源の開発に重点を置いているという。

ガーマン氏によると、エネルギー政策に対する取り組み方に違いがあるものの、クリーンで信頼がおける十分で、かつ持続可能な電力を長期的に得るという目標については、ブッシュ大統領とケリー候補は意見が一致しているという。


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