[原子力産業新聞] 2004年7月8日 第2242号 <3面>

[WANO] 2003年の米原子力利用率は90%

世界原子力発電事業者協会(WANO) が作成した年間実績指標によると、米原子力産業界は、2003年に安全性と運転実績で新記録に近い成績を達成した。米国の31州に位置する103の原子力発電所は、2003年、7640億kWhの電力を生産、2002年の記録7800億kWhを2%下回った。2003年の平均設備利用率は89・8%、過去4番目の成績で、原子力エネルギー協会(NEI)が2005年の目標としている91%をわずかに下回っている。

発電所の計画外自動運転停止については、69件で、発電所のほぼ半数が経験し、最頻値は1発電所あたり0・8回だった。計画外停止の最頻値が0回を越えたのは1997年以来初めてで、これは昨年8月、米国北東部と中西部をおそった大停電の影響が大きいものと見られる。この停電により、9基が自動停止した。1999〜2003年の自動停止の平均値は59件だった。

集団放射線被ばく線量については、発電所従業員の集団放射線測定値は、連邦安全基準内にとどまっている。作業員の安全については、職業事故率が4年連続改善され、20万作業時間につきわずか0・25という最低に近い率を達成し、労働統計局の調査で、製造業、不動産、金融などの産業界よりも原子力発電所の方が安全な作業環境であることが示された。


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