[原子力産業新聞] 2004年7月8日 第2242号 <3面>

[欧州委員会] フィンランド・オルキルオト3を承認

欧州委員会はこのほど、フィンランドで計画中のオルキルオト原子力発電所3号機(=図、PWR、170万kW)を承認する決定を下した。この決定は、ユーラトム条約に基づくもので、原子力への大規模な投資は、すべて欧州委員会に通達、同委員会はその見解をまとめて、加盟国に通達するとされている。

決定の中で欧州委員会は、オルキルオト3号機の建設により、フィンランドの新たな電力需要に応えるとともに、老朽化した火力発電所を停止することができるとし、膨大な量の2酸化炭素放出を削減でき、京都議定書におけるフィンランドの義務の履行を助けるとした。

同委員会は、フィンランドの放射性廃棄物と使用済み燃料の管理体制について特に審査、同国が使用済み燃料と放射性廃棄物の長期管理について、「目的がはっきりし、整った計画を持つ」と判断。これは、政府が使用済み燃料処分サイトを決定し、議会が承認していることを重視したもの。

経済面からも、オルキルオト3号機建設により火力発電よりも発電コストが下がるとし、供給と価格の安定性が高まるとしている。

欧州委のL・デパラシオ副委員長は、「オルキルオト3号機プロジェクトは、原子力発電が経済的に魅力的な選択肢であることを示している」とし、「原子力発電は、地球温暖化と戦うことで、持続可能な開発に大きく貢献できることも示している」と述べた。


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