[原子力産業新聞] 2004年7月15日 第2243号 <1面>

[原子力安全委員会] ISO9001取得目指す

原子力安全委員会は8日、安全規制の充実を図る新たな段階にあるとの判断に立ち、今年度から3年程度で取り組む「当面の施策の基本方針」を発表した。

今回の基本方針の特徴は、安全確保活動の一環として、委員会の監視・監査活動を質が高く信頼性のある公正なプロセスとするとともに、活動の透明性と活動記録の事後的な確認可能性(トレーサビリティ)の向上を目指したこと。また、品質保証の国際規格であるISO―9001の認証取得を目指し、05年度内に規制調査業務で取得、その後委員会全体に展開する。

基本方針は、@現行の安全確保活動における質の向上・強化A将来を見通した安全規制システムの高度化B安全確保の基盤強化――の3項目を基軸とする。

安全確保活動の質向上に関しては、規制調査の充実、安全審査指針類の整備、再処理、高レベル放射性廃棄物処分、廃止措置、クリアランスレベルなどのバックエンド分野の安全確保の充実、事故・故障対応、防災対応の充実を挙げている。

安全規制システムの高度化に関しては、安全目標の確率、リスク情報の活用、安全規制体系の方向性の検討などを重視。特に技術的安全に係わるパフォーマンス指標の整備への取組みを規制行政庁に促し、個別原子炉のパフォーマンス評価の公表など、軽水炉の健全性を具体的に明らかにすることを求めるとしている。

「当面の施策の基本方針」は、JCO臨界事故を背景として00年1月に初めて決定され、前回の基本方針はほぼ達成されたと判断、今回の新基本方針を作成したもの。


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