[原子力産業新聞] 2004年7月15日 第2243号 <2面>

[日本溶接協会] 機器の取替え等テーマにシンポ

日本溶接協会は6月29日、東京・千代田区の化学会館で、33回目の国内シンポジウムとなる「原子力発電設備における機器の補修・取替え技術に関する国内シンポジウム」を開催した。

会では、EPRIワールドワイドの高間信吉氏が『米国における保全の考え方』と題して講演。米国原子力発電所の設備利用率が1980年代の低迷から劇的な回復をみた背景について、最適化による効果的な保全、運転期間の延長、燃料交換停止期間の短縮など、組織的な改善の努力が行われたことを指摘した。

同氏はまた、米国では10CFR50・65などのメンテナンスルール(法規)のほか、原子力規制委員会(NRC)、原子力エネルギー協会(NEI)、原子力発電運転協会(INPO)などが保全に関するガイドラインを設けており、各電力会社はこれらのガイドラインに沿って自社の保全計画を作成、実施したことが大いに貢献したと指摘。加えて米国での保全計画は、機器の重要度に応じた状態監視・予知保全を中心とした予防保全となっており、日本の時間計画保全を中心とする予防保全とは異なるとし、予防保全の策定にあたって広く用いられている電力研究所(EPRI)の予防保全ベースを中心とした保全の考え方と補修・交換に関するR&Dの状況を紹介した。

EPRIのRCM(信頼性分析に基づく保全)は、システムおよび構成機器の重要度を分析し、重要度に応じて最適な保全作業を選定するというもの。航空産業で実施されているRCMを、83年から95年まで原子力プラント5基で実施した後、簡易型を開発し、リメリック発電所で比較検証して、その後状態監視、故障データ、有効なプロセス構築等をフィードバックすることで継続的に改善を進めている。

またEPRIの補修・交換に関する研究・開発は、@材料の挙動に焦点A自主的な解決策の策定BNRCとのインターフェースを重視ーなどが特徴。具体的テーマとしては、BWRでは原子炉圧力容器、炉内構造物、配管の材料管理、照射ステンレス鋼の亀裂進展速度の評価、補修の溶接性能など。一方PWRでは、アロイ600、原子炉圧力容器、炉内構造物などの材料管理プログラムが中心で、特にアロイ600問題ではタスクフォースを設けて、突合せ溶接継手の安全性評価、検査などに取り組んでいる。


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