[原子力産業新聞] 2004年7月22日 第2244号 <1面>

[東京電力] 柏刈1自動停止の調査結果公表

東京電力の柏崎刈羽原子力発電所1号機(BWR、110万kW)が9日午前3時11分頃、「発電機地絡トリップ」の警報発生により、発電機の保護装置が作動し発電機が停止、これにともない原子炉が自動停止した事象について、同社は15日、調査結果を発表した。

それによると、現場にて目視点検を行ったところ、タービン建屋地下1階に設置されている発電機用計器用変圧器のうち、ひとつの変圧器の絶縁材にひびを確認。調査した結果、高圧側の巻線(コイル)の抵抗値に異常が認められ、絶縁材内部に局部的な短絡(ショート)の跡が確認されたという。また、プラントの運転状況についても確認したところ、原子炉および発電機本体に問題はなく、事象発生時における発電機まわりの各種測定データにも異常は確認されなかった。

これら調査結果から、東電では「当該変圧器の高圧側巻線間の絶縁不良により局部的な短絡が発生して大地に電流が流れ、それを発電機地絡継電器が検知し、動作したことにより、発電機が停止した」と推定。対応として、損傷が確認された当該変圧器を新品に交換するとともに、他の2つの変圧器についても新品への交換を実施した。

なお、同1号機は15日20時14分に、原子炉を起動している。


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