[原子力産業新聞] 2004年7月22日 第2244号 <2面>

[原子力安全・保安院] 一般参考情報として通達

原子力安全・保安院は12日、03年に東京電力の福島第2・3、4号機および、日本原子力発電の敦賀発電1号機の制御棒にひびが確認された事象ついて、事業者が行った調査結果を審査した結果、制御棒の健全性に直ちに影響を与えるものでないことを確認。BWR事業者に、一般参考情報として通知した。

保安院は03年、東電および原電から、BWR制御棒のひびに関する報告書を受領。これらは法令に基づく要求事項への回答として行われたものではなかったものの、保安院では「当該事象に関しては、詳細な発生原因の分析や安全性評価に関心を有していた」ため、両社に対し、自主的な詳細調査を行ったうえで情報提供してもらいたい旨の協力要請を行っていた。

東電および原電は要請に応じ、調査報告書を提出。評価をした保安院では、両社の評価が適切に行われ、また海外での類似する報告事例からみて、制御棒の健全性に直ちに影響を与えるものではないと判断していたが、両社の調査結果によって、改めてこれが確認されたとして、「本事象は安全規制上の対応を要するものではなく、BWR事業者による適切な管理に委ねて良い」と判断。検討結果および保安院としての見解を取りまとめ、一般参考情報として、両社を含めた各BWR事業者に対し通知した。


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