[原子力産業新聞] 2004年8月19日 第2247号 <1面>

[関西電力] 事故のシークエンス

8月9日15時22分、定格熱出力一定運転中の関西電力・美浜発電所3号機で火災報知器動作警報が発生。同28分にA系統の蒸気発生器で給水と蒸気流量の不一致信号、同じく水位低信号も出て原子炉とタービンが自動停止。

原因は、A系統の第4低圧給水加熱器と脱気器間の配管(外径56mm)の破口(=写真下)による冷却水(140℃)の噴出。同配管はタービン建屋2階の天井付近にあり、破口時に現場にいた作業員のうち、4名が死亡、7名が負傷。美浜3号機は今月14日から定期検査を予定、タービン建屋では合計221名が準備作業中だった。原子炉は10日19時5分、安全に低温停止状態に移行した。

破口の原因は、破口上流部の流量測定用オリフィスによる乱流に伴う配管の減肉。破口部は1976年の営業運転開始以降、検査対象漏れにより検査されておらず、14日からの定期検査で検査対象になっていた。


Copyright (C) 2004 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.