[原子力産業新聞] 2004年8月19日 第2247号 <2面>

[原子力委・技術検討小委] 直接処分の検討をスタート

原子力委員会・新計画策定会議の技術検討小委員会(委員長=内山洋司・筑波大学大学院教授)は10日、第1回会合を開催し、使用済み燃料の直接処分に関する検討を開始した。来月上旬には、直接処分方法とコスト試算の暫定案を策定会議に報告する方針。

本会合で事務局は直接処分の仕様、コスト試算の手順、核種移行評価などの試案を提示したが、国内では直接処分に関する研究実績がないため、海外事例を参考としている。

主な仕様案は、@処分時期は原子炉取出し後54年(ガラス固化体と同様)Aキャニスターはスウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB)のKBS―3PWRタイプで炭素鋼の厚さ190mmに設定B溶出開始時間は処分後1000年(ガラス固化体と同様)C処分量は3200トン(同)D人工バリアの構成要素はキャニスターと緩衝材とし緩衝材はガラス固化体処分と同様E処分場深度は硬岩系1000m、軟岩系500mと設定し定置方式は竪置き――など。委員からは、再臨界を防ぐため、キャニスターの収納本数について検討が必要、材質は炭素鋼だけでなく銅と炭素鋼の組合せも検討すべき、竪置きだけではなく横置きも検討が必要、などの意見が出され、これらは今後の設定する詳細仕様に反映させることになった。

コスト試算の対象案は、技術開発費、調査費、用地取得費、設計及び建設費、操業費、解体及び閉鎖費、モニタリング費、プロジェクト管理費など。今後モニタリング期間の検討などが必要としている。単なる試算と実施を前提とする試算では異なる面がある、リスクをコストに如何に反映させるかが課題、などの意見も出された。処分面積は軟岩と硬岩の熱伝導率の違いを考慮して推計する。

同小委員会は今月の24日と31日にも開催の予定。


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