[原子力産業新聞] 2004年8月26日 第2248号 <1面>

[原子力安全委員会] チェック漏れの原因など質問

原子力安全委員会の美浜発電所3号機2次系配管事故検討分科会(主査=中桐滋・横浜国立大学大学院教授)は20日、第1回会合を開催(=写真)、関西電力や原子力安全・保安院からの報告を受けるとともに、同分科会の検討課題などを審議した。来月中にも将来的課題も含めて中間報告をまとめる方針。

冒頭、安全委の松浦委員長は「従来、施設や法令の点から安全を考えてきた。今回の事故は法令違反とは関わりのない死傷事故であり、我々は実際に被害を受ける人の立場で対策を考える、という課題を抱えている」と挨拶。幅広い見地での検討を要請した。

委員からは、検査漏れに対して多重チェックが機能しなかった要因などについて質問が出され、関電は詳細を調査中とした。

同分科会では、今後確認および検討すべき事項として、減肉発生メカニズム、2次系配管肉厚の管理指針及びその運用、従業者の安全確保、検査漏れチェック体制などの品質保証体制、高経年化への対応、国内外の事故事例の知見の活用、周辺住民への情報提供の在り方、などを挙げている。


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