[原子力産業新聞] 2004年9月9日 第2250号 <3面>

[IAEA] サイクル国際管理で方向性出ず

【ウィーン4日共同】核燃料の生産から再処理に至る核燃料サイクルの国際的管理構想を検討するIAEAの第1回専門家委員会が、「国際管理は新規の原子力開発国に不利で差別だ」との反対論や、実現性に疑問を示す慎重な意見が続出し、まとまった方向性を打ち出せないまま閉会したことが、4日分かった。同委員会は非公開で、8月31日から9月3日までウィーンで開かれていた。

同委員会は来年2月までに計4回開催され、3月のIAEA理事会に報告書を提出する予定。

外交筋によると、委員会は核保有5大国やインド、パキスタン、イスラエル、日本、韓国など23か国の委員で構成。

第1回会合には中国、英国の委員が欠席。IAEA当局が国際管理構想の骨子を説明したが、ブラジルなどの原子力新興国は「エネルギー主権の制限につながる」と反対。また「北朝鮮やイランが国際管理に参加するのか」などと懐疑的な意見が続出し、積極的な賛成意見はなかったという。


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